ボトックス注射って聞いたことありますか?美容に詳しい方はもしかしたら知ってるかもしれませんね。
ボトックスとは、正確には米国の医薬品企業が製造販売するボツリヌストキシン製剤の商標登録名です。そのボトックスの主成分である『ボツリヌストキシン』は、神経伝達物質の放出を抑制し、一時的に筋肉を麻痺させる特徴があります。その特徴を活かして美容の分野では筋肉の働きによるシワの改善や、発達した筋肉の働きを弱め小さくすること(痩身)を目的に使用されています。
ボトックス注射はメスを使わず、施術後は徐々に効果が現れるため自然な変化を望む方に人気があります。
歯科の分野では、歯を食いしばった時に顎の外側で硬くなる筋肉「咬筋(エラ)」に対してボトックス注射を行うことがあります。具体的にどのような効果が現れるかというと、
・歯ぎしりや食いしばりの緩和 → 噛み締めで起こる頭痛や肩こりの緩和
・顎関節症の緩和
・歯ぎしりが原因で進行する歯周病の緩和
・エラがシュッとする、小顔効果
などが挙げられます。
また、上唇を挙げる筋肉によるガミースマイル(笑った時に歯茎が多く見えてしまう)や、オトガイ(顎の先)に梅干しじわがよる場合には、作用する筋肉にボトックス注射を応用する場合もあります。
★歯ぎしり、くいしばりをしている
★歯が全体的にすり減っている
★歯の根元が削れている
★エラが張っている
★起床時、顎の痛みや張りを感じる
★マウスピースを作ったが、使用を続けられなかった
…といったような症状がある方にはぜひお勧めしたい治療になります。
ボトックス注射の持続効果時間は、一般的に3〜6ヶ月と言われています。施術後数日〜数週間経過した頃から筋肉縮小効果が実感され始め、徐々に効果が薄れてきます。(個人差あり)
一度の処置で永続的に効果が続くわけではありませんので、施術から時間が経ち食いしばりなどの症状を感じるようであれば再度ボトックス注射をすることをお勧めします。
施術において起こり得る副作用を挙げると、
・筋肉に対して数か所注射を打つため、針を刺す痛みを多少感じます。
→痛みに不安を感じる方は表面麻酔を併用することも可能ですのでご相談ください。
・(咬筋の場合)筋肉縮小作用により、咀嚼時に違和感や咬みにくさを感じることがあります。
→ボトックス注射の効果が薄れるとだんだん緩和してきますが、元に戻す処置はありません。
・まれに発熱、吐き気、頭痛が起こることがあります。
・効果が強く現れた場合は、筋肉を動かしにくくなり一時的に表情が不自然になったり、少し頬がこけた印象になることがあります。
・治療後、一時的に注射部位に内出血が現れることがあります。
上記事項が副作用として挙げられますが、どれも時間が経てば軽減・解消されていきます。
※ボトックスを打ってはいけない方
・妊婦や授乳中、妊娠の可能性がある方
→妊娠や胎児に影響を及ぼす可能性があるからです。3ヶ月以内の妊娠も避けていただきたいため、妊娠を検討されている方はご注意ください。
・ボトックスに対するアレルギーをお持ちの方
→過去にボトックス注射後で蕁麻疹や皮膚のかゆみ、口唇の腫れなどアレルギー症状が出たことがある方は、最悪の場合アナフィラキシーショックを起こす可能性があるため投与できません。
・重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症の方
→神経筋接合部に抗体が出現し筋力が低下するような疾患をお持ちの方は、ボトックスにより疾患が悪化することがあります。嚥下障害や呼吸困難といった症状が出現する恐れがあり非常に危険ですので投与できません。
・筋弛緩薬(ダンロトレン)を内服中の方
→ボトックスにより筋弛緩作用が増強し、過剰な筋弛緩が出現する可能性があります。
・併用注意の薬剤を内服している方
→特定の抗菌薬(アミノグリコシド系、テトラサイクリン系、リンコマイシン系)や精神安定剤は、薬剤の相互作用でボトックスの作用が増強して副作用が出現する可能性があります。
上記に当てはまらないけれど、基礎疾患がある方も事前にお伝えくださいね。
当院でボトックス注射を受けた患者さんでも、
施術前は咬筋の張りが強くかなりエラが張っている印象でしたが、施術後にはひとまわりお顔が小さくなり、顎関節症の症状や起床時の顎の重だるさも軽減し、外見的にも機能的にも満足していただいた患者さんも多数いらっしゃいます。
ボトックス注射は歯や顎を守るためにとても優れた治療です。
当院ではボトックス治療が適応かどうかも含めて総合的に判断いたしますので、検討している方はお気軽にご相談ください。
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※祝日がある週の水曜は診療しております。